第7回原爆犠牲者のためのスピリチュアルコンサート

ついにこの日がやってきました。
広島に住む者にとっては忘れることのできない日。

今日は世界平和記念大聖堂でフォーレのレクイエムを歌ってきました。

原爆により被爆したドイツ人の神父が各地を奔走して資金を集めて完成した大聖堂。この大聖堂は世界各国から寄贈品が送られており、まさに世界平和を象徴する建物。

フォーレのレクイエムは、レクイエム(死者のためのミサ曲という意味での)の中でも少し異質で、キリスト教における審判の日を描く「怒りの日(ディエス・イレ)」という楽章をほとんど省略しています。そのかわり、「天国へ(インパラディスム)」という楽章があり、"死"というものを"恐ろしさ"というより、むしろ"救い"という観点から描いています。

そういう意味で、広島にもっともふさわしいレクイエムは、このフォーレのレクイエムなんじゃないか。ということを実行委員長の方がおっしゃっていました。

この広島、世界平和記念大聖堂という場所でフォーレのレクイエムを歌うことはとても意味のあることだと思いました。また、これまで聞くだけだったグレゴリオ聖歌を、ネウマ譜を読み取ることから始めて歌えるようになったことは、大きな経験だったと思います。

誘ってくださった先生、快く受け入れてくれた実行委員の方々、当日大聖堂にお越し下さった方、すべての方に感謝したいと思います。

小さな力ではありますが、いつしか世界平和が訪れるように祈りたいと思います。そして今こういった環境に自分がいることに感謝します。