祈りと天然パーマ~楽曲分析フンパーディンク編①~

私、天然パーマです。超々癖毛の私。癖毛は嫌いじゃないですが、自分には似合っていない(と思っている)し、天然ストレートに憧れがあります。

縮毛矯正かけてます。
ヘアアイロン持ってます。
パーマ液も持ってます。
くし、カットシザー、セニングシザー(すきバサミ)持ってます。
おばちゃんがパーマ作って固定するときに使うアレ持ってます。
(癖毛と逆の方向に巻けば、癖毛が少しおとなしくなるためw)
シャンプーとトリートメントはストレートパーマ仕様。
ドライヤーやアイロン前に、髪を傷めないためのスプレーしてます。
ワックスも髪につやと潤いを与えるやさしいタイプ。
縮毛矯正は値は張るが髪にダメージを与えないファイテンのリペア。

おそらく、そこらへんの女の人よりは髪に気をつかってるのでは?と思う今日この頃です(笑)いろいろ試しましたが、やっぱり縮毛矯正をかけるのが一番手っ取り早くて髪への負担も少ない!というわけで今日は三時間ほどかけて縮毛矯正をかけてきました★お値段何と5000円!ホットペッパーで探しました(笑)カット別料金だったんで、コンビニATMに走りましたけどね…手数料…。リペアじゃないので髪へのダメージが気になるところですが、そんなに痛んでいる感じはしませんでした。一応帰ってスプレー★(笑)

しかし、世の中には金を出してパーマをかけて癖毛を出す人もいるんですよねぇ。「ブロは何もせんでも癖毛だからうらやましい」と言われたことがあります。ブロリからすれば「癖毛だけど、整えることが出来ない癖毛だよ」と言いたいところですが、人は自分に無いものに憧れを持つものなんですねぇ。

さて、今日は縮毛矯正を終えた後、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」より「祈りとパントマイム」の楽曲分析をしました。最近は作曲よりもFinaleで楽譜を作ることにハマっておりまして、まぁ作業の一環として、分析をしました。この曲は高校時代、吹奏楽コンクールで演奏した曲で、最初に聞いたときは眠たいイメージしかありませんでしたが、練習すればするほど好きになっていったという不思議な曲であります。眠さの秘密はおそらく、この曲がとことん調性にこだわり、全体を通して和声的にほとんど展開を見せないことでは無いかと考えています。理論的に証明しようと、分析に夢中になっております★

曲について
歌劇「ヘンゼルとグレーテル」は作曲者フンパーディンクの作品の中でも最も知られているオペラです。祈りとパントマイムは、同オペラの第二幕の最後に演奏される「夕べの祈り」「パントマイム」の二曲のダイジェスト版です。ヘンゼルとグレーテル兄妹が森に迷って帰れなくなり、眠りの精が現れて二人を眠らせるというシーンです。作曲者であるフンパーディンクは、ワーグナーに強い影響を受けており、この曲でも随所にその影響が見られます。

思い出
この曲は吹奏楽アレンジされていて、高校のときの吹奏楽コンクールの自由曲として演奏しました。当時学生指揮をしていたブロリは、基礎合奏(デイリートレーニングとかコラールAだとか)をやったり、各パートに配られたフルスコアのコピーを見て、曲の合奏をしたものです。しかし、学生指揮という立場に居たものの、あくまで本指揮者はY先生。ブロリは楽譜どおりに吹いているか、リズム間違い、臨時記号の見落とし、縦(アインザッツ)や横(ピッチ)を見るに留め、表現についてはY先生の指示で進むので、楽曲分析などはしていませんでした(;^_^Aあれから4年?くらい経った今。様々な経験をしてきた(んじゃないかなーと思うw)ブロリが独自の方法で楽曲分析をしてみます★

ちなみに余談ですが、高校時代にお世話になったY先生の指揮に、ブロリは20パーセントほど影響を受けています。特にワルツ打法はこの影響が顕著。パクリじゃないんかぃっていうくらい(笑)一番影響を受けたのは、中学校時代の吹奏楽部の顧問で、卒業後もテューバやユーフォニウムのレッスンをして頂いていたT先生です。T先生のダイナミックで大胆かつ派手な指揮には、50パーセント影響を受けています。後の30パーセントは某有名指揮者や、吹奏楽の先輩だったりと様々です。ちなみにブロリの指揮デビューは中学校の合唱祭です。あの頃はマジで棒振ってるだけだったけど(笑)楽曲分析が指揮者の最も重要な仕事だと言う事を知ったのは高校ですな。

楽曲分析スタート
ここから先、いよいよ楽曲分析に入りますが、著作権の関係で楽譜は載せられないため、こちらの試聴ページで音源を聞きながら文字を読むと良いかもしれません。但し、途中までしか聞けない…orz
http://dl.rakuten.co.jp/prod/800215595.html

パートについて
吹奏楽のために編曲されたスコアですが、原曲のオーケストラの響きに近づけるためか、オーボエとファゴットは2パートとなっています。また、アルトクラリネットの記載はありませんが、コントラバスクラリネットという少々珍しい楽器が導入されています。サックス以外はオーケストラにも用いられている楽器なので、原曲の吹き方を参考に出来ます。このアレンジではサックスもフルで稼動していますが、サックスに限って言えば、相当シンフォニックな吹き方を要するでしょう。また、フルート、オーボエ、バスーンだけでメロディ、オブリガード、ベースが演奏出来るようになっているし、同様のことがクラリネット属、サックス属、金管属で言えます。この曲の声部の数は、メロディとそのハモリ、伴奏は2声のオブリガードと1声のベース、合計5声が基本となっています。

最初~
調性ははっきりしており、ニ長調(D-dur)です。最初はフルートがpでそれ以外の楽器はpp、フルートの二重奏によるメロディが主役です。

8小節までの和声進行は、D-durにおける基本和音のみを使用しており、標準的な進行です。この写真を良く見ると、赤で印をした外音が、一部に集中していることが分かります。(全然見えないな…w)また、外音が集中している部分と、内音のみの部分が交互に並んでいます。このことから、特に強弱などの展開が少ないこの導入部で、聴衆を飽きさせないために、和声的に変化をつけているのでは無いか?と予測しています。演奏者はこの変化を楽しみながら演奏出来ると良いと思います。

9小節目からは、同主調のⅥの和音から借用して、属七の和音の性質を使って、三度下行、四度上行を繰り返しながら部分転調し、12小節目の最後でトニックであるDに戻ります。

この辺りの旋律に注目すると、小節の最後に必ずと言って良いほど外音が出てきます。これは、部分転調を繰り返す際、旋律の音程が跳躍しすぎてしまうことを防ぐために、各小節の最後に経過的に外音を用いているためです。ちょうどレガートが途切れて息を継げる場所にありますが、この外音は大事なので気を抜かずに演奏したいものです。

9小節目にフルート、オーボエ以外のパート全てにpoco cresc.の指示があります。何故フルート、オーボエだけpoco cresc.しないかと言うと、最初はフルートのみの演奏で、オーボエ1と2がそれぞれ後からフルートと同じ旋律で入ってくるので、フルート、オーボエは自然にpoco cresc.がかかり、意識する必要が無いためです。これはスコアを見ないと分からないことなので、指揮者は必ず合奏で注意すべきでしょう。なお、上の試聴音源はこの辺で終わっています(笑)

個人的に12小節目のフルート2の三拍目の「♯ド」の音がm add 2の要素になっていて大好きです。

[A]~
ニ長調(D-dur)は健在です。12小節目でpoco cresc.をかけた後、mf程度まで音量を上げて、13小節目、つまりAの頭でpp subito、つまりすぐにppに落とします。フルートはここで主役から退き、押さえのE♭クラリネットが登場!堂々とメロディを吹き上げます。そしてバリチューバ以外音沙汰無かった金管楽器も動き出します。但し、ここでの金管はあくまでシンフォニックに、木管を補助するように演奏します。その理由は、強弱はもちろん、ホルンには1stのみのプレイと記されていることから明らかです。注意深く観察すれば、作曲者(もしくは編曲者かもしれないが)の意図がスコアから読み取れるのです。

この辺りでおもしろいのは、ベースの掛け合いです。

バスクラリネット、トロンボーン3
      ↓   ↑
コントラバスクラリネット、バリトンサックス、テューバ、コントラバス

このような掛け合いが頻繁に行われます。聞いている人からすれば一つのベースラインが出来ます。吹いている方が楽しめる仕掛けと言えるでしょう。

しかし、この辺り、内声の模倣がワヤです。

13小節目クラリネット1 → フルート1が5度で応答
14小節目オーボエ1 → クラリネット1が5度で応答 → フルート1が8度で応答
14小節目バスーン1、アルトサックス1、トロンボーン1、ユーフォニウム → オーボエ1が5度で応答

それぞれの模倣が複雑に絡み合ってて、情報量多すぎです。自分が指揮者だったら、どこにどう指示すればいいか混乱しそうです。また、メロディも模倣があります。

13小節目E♭クラリネット、クラリネット2 → クラリネット3、トランペット1と2が5度上でクレッシェンドも含めて応答
13小節目から、クラリネット1のハモリ及びフルート1のハモリをホルン1、テナーサックスが担当

17小節目から4小節間、二回に渡るクレッシェンド・デクレッシェンドがあります。ここは前半の山場なので、盛り上げるために是非ともテンポを溜めたいところです。音が重くなるので、自然にもたつきは出そうですが。また、このあたりになると、低音が1声追加されて、合計6声もの分厚いハーモニーが展開されていて、もはや口を挟む余地すら与えません。

19小節目からパーカッションが初参加します。19、20小節目はクレッシェンド・デクレッシェンドの頂点で、パーカッションのみmfの指定があります。これは、パーカッションのmfにかき消されない程度に周りが音量を調節すれば良いと思います。

20小節目、Bの1小節前は複縦線なので、曲を一旦切ります。

以上、吹奏楽版「祈りとパントマイム」最初~Bの前までの分析結果でした。しかし、いきなり難解な曲に挑戦してしまった。思った以上に解析に苦戦しました。特に模倣…何が何を真似しているのか混乱してきます(笑)無事終われるのだろうか…( ̄Д ̄;;